特許権・実用新案権の侵害 特許・実用新案をめぐるトラブル発生!対処の仕方は?
特許権侵害への対処 対処は段階があります!
警告書の発送
侵害者に対し、まずは、警告書を内容証明郵便で送ります。警告書には、自己の特許権を侵害していること、商品の製造販売の中止や在庫の廃棄、損害額を計算するための製造・販売数量や販売価格等を提示すること等を求めます。
ライセンス交渉
侵害者から、侵害を認めた上で商品の販売継続を求められた場合には、ライセンス交渉を行って、ライセンス契約(特許実施許諾契約)を締結することになります。
調停申立て
侵害者からの回答に満足できなかった場合、訴訟によって白黒をはっきりさせることになりますが、訴訟にはそれなりの時間とコストがかかりがちです。そこで、話し合いで解決する「調停」という手続も一つの選択肢です。
仮処分申立て
侵害訴訟を提起しても、侵害品の製造販売を止めさせることができません。そこで、暫定的な差止めを求めて、仮処分申立てを行うことも考えられます。暫定的でも、相手にとっては打撃ですので、有効な手段の一つです。ただ、担保として保証金を用意しなければならない点がネックです。
訴訟提起(差止め・損害賠償請求等)
侵害訴訟を提起することにより、侵害者に対して、
- 侵害品の製造販売の差止め
- 侵害品の廃棄や製造設備・ラインの撤去
- 損害賠償請求
- 信用回復の措置(新聞での謝罪広告など)
を求めることができます。
ただ、敗訴のリスクや、相手から提出された資料によって特許権が無効と判断されるリスクもゼロではありません。そういったリスクや和解による解決の方向性等を想定しつつ、訴訟提起の検討を行います。
輸入差止め
税関に対し、侵害品の輸入を差止めるよう申し立てることができます。訴訟手続と比べてコスト面、手続が比較的迅速な点でメリットがあります。侵害品が輸入されている場合は、早期に相手に打撃を与える意味で有効な手段です。
ただ、最終的な解決は訴訟によること、税関での差止めには2年の期間制限があること、相手が争った場合に担保提供が求められること等を考える必要があります。